お土産屋さんにてかわいい小物やデザインの良い食器に巡り合うことがあると思います。
おみやげを相手に渡すとき、さりげなくこの知識を披露してみてください。
南にはソンベー焼き、北には?と思ったかたは北部ハノイのバッチャン焼き をご覧ください。
ソンベーとは?
1976~1996年まであった省の名前です。現在のビンズン省に当たります。
現在はあまりその名を知られていません。
ソンベー村(ビンズン省)の場所
ホーチミン市内から北に30km程離れた場所にあります。
ソンベー焼きの特徴
地元サイゴン川沿いにある高粘度だが柔らかい粘土を原材料として使用されています。
そして、中国の職人による伝統的な陶器作りの技術と、完璧な陶器のバッチを作るために薪で陶器を焼く秘訣があります。
落ち着いた花模様の絵付けが素朴で愛らしい工芸品となっています。
一般家庭を始め食堂や屋台でも使われる、まさに庶民のための食器でしたが、プラスチック製食器が主流の現代では、重くて割れやすいソンベ焼きは姿を消していきました。
ろくろで成形した皿を登り窯に積み上げて低温で焼き上げ、手作業で絵付けをしていく昔ながらの窯元はごく僅かになりました。
今では希少価値の高いアンティーク品とされています。
ソンベー焼きの歴史
ビン・ズオンでの陶器作りは18世紀の終わりから19世紀の初頭にかけて、この土地に定住するようになった中国人移民のために始められたと言われています。
古くから有名な陶器村は主にタンフオックカン、ライチィウ、チャンギアの3村となります。
ビンズン中心都市のトゥーザウモットには中国系のバティエンハウ寺院【chùa Bà Thiên Hậu】がありテト時のフェスティバルは世界的にも有名になっています。
1910年から1930年の期間、ビンズンには約40の陶器窯があり労働者は約1,000千人でしたが、1985年には273の陶器製作所があり6700人の労働者が集まりました。
現在では約300の陶器製造施設があり約500の陶器窯が15,000人以上の従業員を雇用するようになりました。
全体で年間1億3千万個から1億5千万個の製品を市場に供給しているそうです。
世界で認められるベトナムビンズン省の陶磁器技術
かつてビンズンの主要な陶器製品はボウル、カップ、プレート、スツール、彫像、植木鉢などの家庭用品でしたが、現在は消費者の嗜好を捉え、多くの生産段階を工業化することで、ベーシックからハイエンドまで幅広く多様な製品ラインを生み出し、生活のさまざまなニーズに応えるようになりました。
現在、ベトナムの伝統と西洋の現代性が融合するようになり、ヨーロッパ市場で非常に人気がでてきました。
このことは陶器産業に経済資源の安定と積極的な発展をもたらすことになりました。
特に、第1ミンロン陶磁器会社はビンズン陶磁器を世界にもたらしたパイオニアと見なされており、ベトナムの主要な人物が海外へ向かう際にお土産品としてミンロン製の品を献上しています。
現在は工業化が進みソンベー焼きの名前は薄れていますが、その魂は熟練者達に受け継がれています。
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