ベトナム情報通信省とたばこ害防止基金が共催した会議において、ベトナム・ハノイのバクマイ病院・毒物管理センターのグエン・チュン・グエン所長は、「ベトナムは電子タバコの流通を完全に禁止するべきだ」と提言しました。
※バクマイ病院:ベトナムの首都ハノイにあり、1,400床を有する同国最大の総合病院です。日本からは無償のODAでサポートしています。
グエン氏は会議で、「電子たばこの化学組成は複雑であり、危険な薬物も含まれている」「ベトナムは電子たばこを無条件で即刻禁止にする必要がある」と主張しました。
もし法律で禁止になると気を付けなくてはいけないことがあります。
それは喫煙者が観光や仕事などでベトナムへ入国する時の持ち込みに関してです。
情報を知らなかったでは済まされず、良くて電子タバコの没収、悪くて強制退国の可能性もあり得ます。
参考までに:知らなきゃ危ない!ベトナムへのタバコ持ち込みに関する注意事項【東南アジア】
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若者の間で喫煙率が上がってきている要因の一つが電子タバコ
たばこ害防止基金のグエン・ティ・トゥ・フオン氏は、若者の間で電子たばこの人気が高まっていると話しました。
2022年の調査によると13~15歳の電子たばこ使用率は3.5%で、2019年の2.6%から拡大しました。
その要因としてコロナによる社会的隔離が影響していますが、もう一つの大きな要因についても言及している。
それはたばこ税についてです。
「ベトナムはこの10年、喫煙率を下げてきたが依然として喫煙者が増えてくるのは、たばこに対する税率が低いからです。世界保健機関(WHO)の推奨するたばこ税率は小売価格の75%ですが、ベトナムの税率はなんと38.8%です」とはるかに低い点を指摘しています。
さらに詳しく:【WHO代表が語る】ベトナムのタバコ価格は信じられないほど安い
世界の喫煙者割合
タバコを吸っている人の割合は世界規模で一体どれくらいなのでしょうか?
WHOによると世界で10億人以上が喫煙していることが報告されており、13~15歳では2400万人が喫煙しているそうです。
たばこ害防止基金によると、世界では喫煙が原因で毎年800万人が死亡しており、このうちおよそ100万人は受動喫煙が原因で亡くなっていると考えられています。
ベトナムにおいては毎年約4万人が、受動喫煙で死亡しているとの報告もあるそうです。