ベトナムにいる日本人同士の会話で「こないだメコン川へ行ってきたんです」というと、ティエンザン省のミト(Mỹ Tho)へ行ったんだと想像されます。
ミトはホーチミンからもほど近く、川下りなど多くの観光客が訪れる場所となっているからです。
しかし、メコン川はとてつもなく長く4200kmあり、東南アジアでは最長とも言われています。
ちなみに日本最長の信濃川が367kmです。
では、このメコン川はどこから流れてきているのでしょうか?
メコン川はどこの国を流れていますか?
メコン川は東南アジアを北から南へと流れる国際河川で、中華人民共和国南西部(チベット高原)に源流を発し、ミャンマー・ラオス国境、タイ・ラオス国境、カンボジア、ベトナムをおよそ4,200 kmにわたって流れ、南シナ海に注ぎ込む東南アジアで最長の河川です。
名前の由来
メコンの名はタイ語に由来するそうです。
メ(メー)はメーナーム(川)の短縮語、コン(コーン)の意味には諸説ある。有力な説は、コーン(Khong)はサンスクリット語のガンガ(ganga=ガンジス川)の転訛とするもの。すなわち、メコンは(ガンジス川のように)偉大な川、大きな川と解釈する。wikiより
最終的にメコン川は南シナ海に流れ出るのですが、数千年かけて土砂が運搬されてできた堆積平野はメコンデルタと呼ばれいくつもの支流に分かれています。
ベトナムではこれらの支流をまとめてソン・クー・ロン(Sông Cửu Long)九龍川と呼んでいます。
これはメコンが9つの流れ、9匹の龍になって南シナ海に注ぎ込むと考えられていたからです。
メコン川の別の名前は?
中国:中国語では、メコン川全体の総称は湄公河(拼音: Méigōng hé)で、湄公はメコンの音訳である
ミャンマー:ビルマ語の名称はမဲခေါင်မြစ်(ラテン文字転写:Mè‘kaung Myit)。
ラオス:ラーオ語の名称はແມ່ນ້ຳຂອງ[mɛː nâːm kʰɔ̌ːŋ]またはນ້ຳຂອງ [nâːm kʰɔ̌ːŋ]。
タイ:タイ語の名称はแม่น้ำโขง [mɛ̂ː náːm kʰǒːŋ]またはแม่โขง [mɛ̂ː kʰǒːŋ]。
カンボジア:クメール語の名称はមេគង្គ [meekoŋ](ラテン文字転写:Mékôngk)またはទន្លេធំ (Tônlé Thum)である。トンレは川または湖、トゥムは大きな、偉大なを意味するので、大きな川、偉大な川
ベトナム:ベトナム語の名称はSông Mê Kông [soŋm me koŋm]、Sông Lớn [soŋm lə̌ːn]またはSông Cửu Long [soŋm kɨ̃w lɔŋ]。ソン・クー・ロンは“九龍川”ということになる。これが本来のベトナム語の名称である。wikiより
メコン川に生息する生き物
メコン地域で発見されている種は、哺乳類が430種、両生・爬虫類が800種、鳥類が1,200種、魚類が1,100種、そして植物は2万種に上ります。
生息が特定あるいは推定されている魚類の種は1200以上に上るとも言われています。
漁業はそれぞれの領域の経済活動の非常に重要な要素であり、約120種の魚が商業的に取り引きされており、食料として重要なタンパク源とされています。
ちなみにカンボジアとラオスの人口1人当たりの淡水魚の漁獲量が世界で最大規模となっているようです。
上流と下流で大きく異なった2つの生物に分けられる
上流部では流入する雪解け水により一定の流量があるため流れは速くなっています。
水質は比較的透明でpH値は6.9から8.2でほぼ中性を示しており、栄養素レベルは低い傾向です。
そして下流域では特に雨季は土が混じり赤茶色に混濁します。
インドシナ半島に広く分布する赤土であるラテライト土壌を侵食するのが理由となっています。
なお水質はpH6.2から6.5とやや酸性になっているが栄養素は高くなっています。
中国のダム開発による弊害
メコンの上流に位置する中華人民共和国とラオスは、治水と水力発電のために多数のダムを建設しています。
メコンの下流に位置する国々を顧みない中国の姿勢を、メコン川委員会(MRC)は非難し、中国へダム建設の中止を求めているが結果むなしく工事は完成されました。
最初の中国のダム建設以降、水位は低下し川で育つ魚は小さくなり、漁獲量も4分の1に減少しました。
メコン川上流域でのダム建設などで流量が激減しており、ベトナムのメコンデルタ地域では海水が逆流し漁獲量の減少や農地の塩害をもたらしている。
特に米作農家は甚大な被害を受けているようだ。
メコン川流域の森林破壊
メコン地域の人口増加と経済開発にともなうインフラ整備の進行により森林破壊が問題視されています。
メコン地域(中国雲南省を除く)では、1973年から2009年までの間に森林面積が140万平方キロメートルから98万平方キロメートルにまで減少してきました。
この40年間の森林減少面積は、日本の国土面積の1.4倍になります。
特に、森林減少が激しかったタイとベトナムでは、森林面積が4割以上減少し、ベトナムでは天然林の大部分が失われてしまいました。
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