日本の仲秋節とは五穀豊穣を祝うお祭りですが、ベトナムも仲秋節になると農家の人々は収穫の一休みということで庭などの広いところで月を眺め、今年の収穫を祝い、今後の豊作を祈るためのお祭りをしてきたそうです。
ちなみに、ベトナムの米生産は50%以上がメコンデルタ地域って知っていましたか?
1年間に3回も収穫するそうです。知ってるようで知らないメコンデルタとは?
しかし現在のベトナムでは五穀豊穣の意義は薄れ「子供の日」がメインとなっています。
日本とベトナムの仲秋節の過ごし方の違い
仲秋節とは旧暦の八月十五日にお祝いされる節句ですが、日本では十五夜と呼ばれ、月を眺めススキや月見団子を添えながら静かに過ごす“静”のイベントでしょう。
一方ベトナムではとても賑やかな雰囲気で”動“のイベントと言えるのではないでしょうか?
その理由は次の伝承物語に要約されているかもしれません。
ベトナムのお月様には何がいますか?(物語)
国によってお月様の見え方が異なるのは有名ですが、ベトナムではガジュマルの下に人が座っていると言われています。
ある村にクイ(Cuội)さんが住んでおりガジュマルの葉を薬にして村の人たちを助けていました。
そんなある日、うっかり者の妻が聖なるガジュマルの樹におしっこをして、樹を冒涜してしまいます。
樹はすくすくと成長を始め上に伸びていきます。
助けに行ったクイは妻の代わりにガジュマルの樹に捕まえられ月まで連れていかれます。
地球に残った妻はクイが月から無事に帰ってこれるようにと毎晩、灯篭に火を灯したそうです。
毎年仲秋節の間、子供たちが灯籠を灯して行列を作るのは、クイに地上へ帰る道を教えるためだったんですね。
灯篭(ランタン)
地域によって灯籠行列が行われます。
上述の物語に出てきた月にいるクイのために「あなたの故郷はここですよ」と目印になるため明るく照らしたり、賑やかに歌って踊ります。
昔は灯籠が紙製でしたがカラフルなセロファン製に変わり強度がついたり、キャラクターの描かれた灯籠やきらきら光って音が鳴るプラスチック製の灯籠など子供向けの灯籠がたくさん販売されるようになりました。
大きな都市では灯籠街(フォーロンデン)と呼ばれるイベントが開催され、灯籠はもちろんゲームやおもちゃや食べ物など様々な屋台で賑わいます。
獅子舞
日本では秋の祭りなどで獅子舞を被り、街をねり歩く地域もあります。
ベトナムにも古くから獅子舞は悪いものを祓ってくれ、幸運を呼び寄せてくれる事から伝統的な風習の一つとなっています。
2人の男性がそれぞれ獅子舞の胴体と頭に分かれてかぶります。
そして太鼓や鐘の音に合わせ舞踊りを見せてくれます。
しかし現在、地域によっては交通安全のためや、人が多いとの理由で獅子舞は危険とされ禁止されることもあります。
個人宅を訪れる獅子舞もあり、家の中に入って幸運を祈ったり悪いものを祓うために踊ってくれるのです。
ただ、その後謝礼を渡すのが習わしですので、もし家に入ってきた時はお忘れなく、、、
仲秋節の飾りを販売する有名なエリア
ホーチミンではチャイナタウンの5区
Nguyễn An(グエンアン)通りやNguyễn Trãi(グエンチャイ)通り、Trần Hưng Đạo(チャンフンダオ)通り
ハノイではHàng Ma(ハンマー)通り
月餅はどこで売っていますか?値段は?
早ければ7月下旬ごろから通りに黄色のテントが設置され、月餅が販売されるようになります。
時期を過ぎると在庫売りつくしセールで1個買うと3個無料になったりもします。
詳細はベトナムの月餅(バン・チュン・トゥ)について【味・サイズ・値段】をご覧ください。
ベトナムで月を見るならどこ?
月見スポットを探せ!ということで、ベトナムで特に人気な名所を2か所ご紹介します。
「ホイ・アン」の月
ベトナム中部の古都、ホイ・アンは美しいランタンで飾られた夜の月明かりで有名な観光地です。
旧市街ではランタンが灯され、川面に反射する美しい光景が観光客の目を引きます。
訪れた人々はホイ・アンの美しい月の光を楽しむことができるでしょう。
「ハノイの秋の月」
ベトナムの首都ハノイの秋の月は特に美しいと言われています。
ホアンキエム湖(剣湖)の中央にある「神秘的な亀の塔」は、美しい月の光に照らされて幻想的な景色を作り出します。
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