以前ハノイには桃の花、ホーチミンには梅の花でご紹介しましたが、ベトナム北部のハノイではテトの時期にピンク色の桃の花を買い、家の玄関や家の中に飾ることがテトの伝統文化として受け継がれてきました。
それはなぜでしょうか?
物語として言い伝えられていますので見ていきましょう。
昔昔、ハノイの東の山にそれはそれは大きな桃の木があったとさ。
巨大な桃の木の上にはふたりの神様が住んでおり、 その力で村人たちを守っていたんだそうな。
ある日、妖怪がふらりとこの地を訪れ、好き勝手に暴れてしまいました。
その様子を木の上から見ていた神様は、 妖怪を捕らえて罰を与えました。
それからというもの妖怪は、桃の花を見ただけで恐れおののくようになったとさ。
つまりは悪い者や、悪い縁が家の中に入ってこないようにするための置き物として桃の花を飾っていたんですね。
ピンク色の花以外にも、悪い者や縁を寄せ付けないためにカイネウというものがあります。