高層ビル

Động đất 地震

ベトナム北部のハザン省で2022年11月28日朝、マグニチュード3.0の地震が発生しました。

ホーチミンに住んでいるベトナム人の友達に聞いてみました。

「地震があったらあの大きなビルは倒れますか?」

「ベトナムは地震がないから大丈夫」そう答えるのです。

地震がないなんて本当に断言できるのでしょうか?

ベトナムでも地震は少なからず起こっています。どちらかと言えばホーチミンよりもハノイのほうが頻度も規模も大きいです。

ベトナム科学技術院所属地球物理院のNguyen Ngoc Thuy準教授によると、マグニチュード1~2程度の地震は北西部を中心に頻繁に発生しています。

しかし、これらのほとんどは『無感地震』であるため、人間には揺れているかどうかすらわかりません。

ベトナム人が『地震はない!』と断言する理由は、ベトナムで起こるほとんどの地震が、人間が揺れを感じることのできない『無感地震』だからなんですね。

ベトナムの地震は歴史的に見ても頻繁に発生している

ベトナムの活断層と地震分布図

ベトナムの断層地域
ベトナムの地震発生地点
         写真:リサーチゲート

ベトナム北部地域ハノイの地震

北部地域では震度2~3程度の地震が年に数回あるといわれています。

2019年の地震はハノイではすべて小さい揺れでしたが、1分近く揺れが続いたこともあります。

2020年7月にはマグニチュード4.8と大きな地震がありました。

ハノイ北部地域の活断層

ベトナム北西部は火山帯に位置していないのですが、複数の活断層が集まっており大規模な地震が起きる可能性があります。

特にĐiện Biên – Lai Châu (ディエンビエンーライチャウ)断層はベトナムにおいて最大の地震断層と言われており、過去にはマグニチュード6.7(ベトナム式ではM5)を記録しています。

また、中国南西部に位置する雲南省は中国で最も地震が起こりやすい地域の一つとされています。

ベトナムと国境を挟んだ雲南省で発生した地震をハノイで感じることもあるようです。

ベトナム中部地域ダナンの地震

ベトナム中央高地 Kon Tum コントゥム省では、1903年〜2020年までの間に33回の地震を観測しました。しかし2021年から現在だけで200回の地震を超えるといいます。

最も大きかったのは1937年に記録したマグニチュード3.9で、最も小さかったのは2015年のマグニチュード3.0です。

2021年4月以降、Kon Tum 省とその周辺地域で発生する地震は、より規則的な頻度で、より強くなる傾向があります。

幸いにもこの地域では、家屋や人への被害は記録されていませんが、地震による振動が人々の生活に影響を与えています。

地震の原因は北部のような断層(自然地震)ではなく、貯水池の貯水量が地震と関係があるようです。

水の量が増えると湖底に大きな圧力をかけ、局所的な断層(小さいながらも)を押しつぶして地震を発生させているのです。

今後は更なる水力発電の貯水量を調整するための監視、評価が必要となりそうです。

中部のダム
写真:KonTumのダム

自然災害に悩む中部地域は津波を警戒

ダナン市とクアンナム省は津波や洪水による影響が危険視されています。特にダナン湾の内部、ミーソンビーチエリア、グハンソンエリアです。

インドネシアやフィリピンでM6クラスの地震が起きると、およそ2時間で津波が到着します。

また、雨季には台風がフィリピン沖から西のベトナムへ移動してきます。

ベトナム南部地域ホーチミンの地震

ホーチミン市で地震が起こるのか、という問いに南部地質図連団のLinh氏は、「地震は様々な要素から生じる。個人的な研究では、現在の地殻変動はSai Gon サイゴン川断層を沈み込ませ、ホーチミン市で沈下を起こすのみで、地震は起きないだろう」と楽観的な見方をしています。

しかし実際にSai Gon川断層は年間で最大16mm、最少1.2mm、平均して8.6mm動いており、「断層沿いにM1.2~1.8の地震が起きる兆候があり、Sai Gon川断層は現在も活動している」と研究チームは述べています。

地盤沈下が深刻化

天然資源環境省の報告によると、Binh Thanh ビンタン区のAn Lac アンラクでは地盤沈下が年間約6.8cmのスピードで進行しているという。ホーチミンの2区、7区、Binh Thanh区は特に地盤沈下が深刻で、沈下は最大約20cmにも及ぶ。Hoc Mon ホックモン区では5~10cmほど地盤沈下しています。

地震専門家の意見 

ベトナム科学技術院所属地球物理院のNguyen Ngoc Thuy準教授によると、ベトナムは世界的に見ると平均的な地震国で、そのほとんどが無感地震ではあるが毎日地震は発生しているという。

またベトナムの地震多発地域は北西部地方で毎年M1~2程度の地震が発生しており、ここ5~7年ではM4~5クラスの地震が発生し、平均的には50年間に1回の割合でM6~6.8レベルの地震が発生していることになるという。

近年の100年間では計120回の地震が観測されており、うち震度6(ベトナム式)以上が32回、震度7(同)が3回発生している。

地球物理院ではハノイ周辺でこの先M5.5~6程度の地震が発生する確立が高いと考えており、仮に地震が発生すれば地盤の弱いHai Ba Trung区とThanh Tri県では大きな被害を受けるだろうと警告している。

そのほかのハノイ市内ではDong Anh ドンアン県が最も地盤が固く、続いてTay タイ湖西部とTu Liemトゥリィム県、Hoan Kiem ホアンキム区の順となっている。

地震に対する備えあれば憂いなし

3日分の食料と水(1日3L)3日間あれば政府が何とかしてくれた。という日本の災害時の経験上3日分を推奨しています。

あったら便利な道具

サランラップ

けがをした時に直接当てて止血することも可能ですし、ラップをお皿に巻いて食べ物をよそいます、食べ終えたらラップをはがして捨てると水洗いせずに済むので水を節約できます。

ウェットティッシュ

災害時は砂やほこりが多く、衛生的にも悪くなると考えられます。身だしなみをきれいに保つことで少しでも精神を安定させましょう。

海外に住んでいると、日本のテレビ番組やインターネットを見ることができなくなることが良くあります。ネット規制が厳しい国ではIPアドレスが制限されているからです。改善するためにはVPNなどでネット環境を整えるしかありません。



【おすすめ記事】

By なら

介護業界で15年ほど勤務、近年はベトナムの介護施設で管理者として働く。奥様はベトナム人、息子一人。ベトナム語を勉強し、幾度も挫折を繰り返し復活しています。

11 thoughts on “【ベトナムでの地震】マグニチュード3.0はそれほど驚くことではない件”

コメントを残す